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「最近、水をたくさん飲む」「おしっこの量が増えた」――そんな変化に気づいたら、犬の腎臓病のサインかもしれません。この記事では、腎臓病の原因や症状、治療法を獣医師の視点でわかりやすく解説します。早期発見に役立つ症状チェックリストもご用意しているので、大切な愛犬の健康を守るためにぜひ参考にしてください!
犬の腎臓病とは?腎不全・慢性腎臓病の基礎知識
腎臓の役割と腎臓病の種類
腎臓は、老廃物の排出・水分調整・ホルモン分泌など、大切な働きを担っています。そんな腎臓が十分に機能しなくなる病気が「腎臓病」です。
犬の腎臓病には、大きく分けて急性腎不全と慢性腎臓病の2種類があります。急性腎不全は突然発症し、適切な治療を行えば回復の可能性があります。一方、慢性腎臓病は時間をかけてじわじわ進行し、完治が難しいため早期発見・対策が大切です。
腎臓病のステージ分類
慢性腎臓病は、進行度に応じてステージ1~4に分類されます。
ステージ1:症状がほとんどなく、血液検査で異常がわずかに見られる段階。定期検査が重要。
ステージ2:食欲低下・水をよく飲むなどの軽度の症状が現れることも。腎臓に優しい食事管理を始めると。
ステージ3:腎機能の低下が進み、嘔吐・体重減少・元気がなくなるなどの症状が目立つ。薬や点滴によるサポートが必要に。
ステージ4:腎臓の機能が大幅に低下し、重い症状が出る。積極的な治療とケアが求められる。

犬の腎臓病の主な原因
先天的な要因:発症しやすい犬種
腎臓病になりやすい犬種として、柴犬、キャバリア、ミニチュアシュナウザーなどが挙げられます。これらの犬種は、遺伝的に腎臓の機能が弱い傾向があり、若いうちから腎臓病を発症するリスクが高いです。
特に柴犬は、遺伝性の腎臓病である「柴犬腎症」が知られており、注意が必要です。
キャバリアやミニチュアシュナウザーも、遺伝的な要因で腎臓病を発症しやすいため、定期的な健康チェックが欠かせません。
後天的な要因:食事・加齢・病気・薬の影響
- 加齢による腎機能の低下
加齢による腎機能の低下は、犬の腎臓病の大きな原因の一つです。年を重ねるにつれて、腎臓の濾過機能が衰え、老廃物をうまく排出できなくなります。これにより、腎臓病が進行しやすくなります。
- 塩分・リンの多い食事の影響
塩分やリンの多い食事は、腎臓に負担をかけ、腎臓病を引き起こすリスクを高めます。特に、市販のドッグフードの中には、塩分やリンが多く含まれているものもあるので、選ぶ際には成分表示をしっかり確認しましょう。
- 他の病気(糖尿病、高血圧、尿路結石 など)との関係
糖尿病や高血圧、尿路結石などの病気は、腎臓に負担をかけ、腎臓病を引き起こすことがあります。これらの病気を早期に発見し、適切な治療を受けることが、腎臓病の予防につながります。
- 長期間の薬剤使用(NSAIDs、抗生物質 など)の影響
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)や抗生物質を長期間使用すると、腎臓に負担がかかり、腎臓病を発症するリスクが高まります。薬を処方される際には、獣医師とよく相談し、適切な使用を心がけましょう。

犬の腎臓病の症状チェックリスト
初期症状
腎臓病の初期症状は、一見すると「年のせいかな?」と見過ごしてしまいがちです。以下のようなサインが見られたら、腎臓病の可能性を疑いましょう。
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水をたくさん飲む、尿量が増える
腎臓の機能が低下すると、老廃物をうまく濾過できなくなるため、体内の水分バランスが崩れます。その結果、喉が渇いて水をたくさん飲むようになり、尿の量も増えます。特に、夜中にトイレに行く回数が増えた場合は要注意です。 -
食欲低下・体重減少
腎臓病が進行すると、食欲が落ちることがあります。食べる量が減り、体重が徐々に減ってきたら、腎臓の機能が低下しているサインかもしれません。 -
口臭が強くなる(アンモニア臭)
腎臓がうまく働かなくなると、体内にアンモニアなどの毒素が溜まり、口臭が強くなることがあります。特に、アンモニアのようなツンとした臭いがする場合は、腎臓病の可能性が高いです。
腎臓がうまく働かなくなると、体内にアンモニアなどの毒素が溜まり、口臭が強くなることがあります。特に、アンモニアのようなツンとした臭いがする場合は、腎臓病の可能性が高いです。
中期~末期の症状
腎臓病が進行すると、より深刻な症状が現れます。この段階では、すぐに獣医師の診察を受ける必要があります。
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嘔吐・下痢・脱水症状
腎臓の機能がさらに低下すると、体内に毒素が溜まり、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。また、脱水症状が見られることもあり、皮膚の弾力がなくなったり、目がくぼんだりするのが特徴です。 -
元気がなくなる、動きたがらない
腎臓病が進行すると、体力が低下し、元気がなくなります。散歩や遊びを嫌がり、寝ている時間が増えることも。これは、体に毒素が溜まっているため、疲れやすくなっているからです。 -
貧血・痙攣・意識障害
末期になると、腎臓が赤血球を作るホルモンを十分に分泌できなくなり、貧血を起こすことがあります。さらに、毒素が脳に影響を与えると、痙攣や意識障害を引き起こすこともあります。この段階では、緊急の治療が必要です。
犬の腎臓病の治療法
獣医師による診断方法
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血液検査
血液中のBUN(尿素窒素)やクレアチニン、SDMA(対称性ジメチルアルギニン)の値を測定します。これらの数値が高い場合、腎臓の機能が低下している可能性があります。特にSDMAは、早期の腎臓病を発見するのに有効です。 -
尿検査
尿比重や蛋白尿の有無を調べます。尿比重が低い場合や、蛋白尿が確認されると、腎臓の濾過機能がうまく働いていないことが疑われます。 -
エコー検査
超音波を使って腎臓の形状や大きさを確認します。腎臓に腫瘍や結石がないか、腎臓が萎縮していないかなどを調べることができます。
治療法① 療法食
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リン・ナトリウム・たんぱく質を抑えた食事
腎臓病の犬には、リンやナトリウム、たんぱく質を控えた食事が推奨されます。市販の腎臓病専用フードを利用するのが手軽ですが、手作り食を与える場合は、獣医師と相談してバランスを考えたレシピを作りましょう。 -
自宅でできる手作り食のレシピ
例:鶏ささみ(茹でて脂を除く)+キャベツ(細かく刻む)+サツマイモ(柔らかく茹でてつぶす)を混ぜ合わせ、少量のごま油で風味をつける。リンやナトリウムを抑えつつ、消化の良い食材を選ぶことがポイントです。
治療法② 薬物療法
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血圧降下剤
腎臓病の犬は高血圧になりやすいため、血圧をコントロールする薬が処方されることがあります。 -
利尿剤
体内の余分な水分を排出し、腎臓の負担を軽減します。 -
リン吸着剤
食事中のリンを吸着し、体内への吸収を抑えることで、腎臓への負担を軽くします。
治療法③ 点滴治療
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自宅でできる皮下点滴の方法
獣医師の指導のもと、自宅で皮下点滴を行うことができます。皮下に輸液を注入することで、脱水を防ぎ、腎臓の負担を軽減します。慣れるまでは少し緊張するかもしれませんが、愛犬のためにもぜひ挑戦してみてください。 -
動物病院での静脈点滴との違い
静脈点滴は、動物病院で行われることが一般的です。皮下点滴よりも即効性があり、重度の脱水や緊急時に適しています。ただし、頻繁に通院する必要があるため、飼い主の負担が大きくなることもあります。

腎臓病を予防法とは?
腎臓に優しい食生活を意識する
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市販フードの選び方(ナトリウム・リンの含有量に注意)
市販のドッグフードを選ぶ際は、パッケージの成分表示を確認し、ナトリウムやリンの含有量が少ないものを選びましょう。腎臓に負担をかけないよう、たんぱく質の量も適切に調整されたフードがおすすめです。また、獣医師に相談して、愛犬に合ったフードを選ぶのも良い方法です。 -
水分をしっかり摂らせる工夫(自動給水器・ウェットフード活用)
水分を十分に摂ることは、腎臓の健康を保つために非常に重要です。水を飲む量が少ない場合は、自動給水器を使って新鮮な水を常に用意したり、ウェットフードを活用して食事から水分を補給したりする工夫をしましょう。特に夏場や乾燥する季節は、脱水症状に注意が必要です。
定期的な健康診断の重要性
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早期発見のための血液・尿検査を習慣化する
年に1回は、血液検査や尿検査を受けることをおすすめします。血液検査ではBUNやクレアチニン、SDMAの値を確認し、尿検査では尿比重や蛋白尿の有無を調べます。これらの検査を通じて、腎臓の状態を定期的にチェックしましょう。 -
高齢犬は年2回の健康診断を推奨
7歳以上の高齢犬は、腎臓病のリスクが高まります。そのため、年2回の健康診断を受けることが推奨されます。早期に異常を発見し、適切な対策を取ることで、腎臓病の進行を防ぐことができます。

ペット保険で治療費をカバーできる範囲
保険適用される治療・されない治療
ペット保険では、診察費・検査費・薬・点滴などが補償対象となることが多いですが、食事療法やサプリメントは対象外となる場合がほとんどです。また、腎臓病は持病(既往症)として扱われると、加入後の補償対象外になることがあるため、事前に確認が必要です。
腎臓病に特化したペット保険の選び方
慢性疾患の治療費を長期間カバーできるか
通院・入院・手術の補償がバランスよくついているか
高齢でも加入しやすいか
などをチェックすると安心です。
よくある質問
Q1. 犬の尿毒症はどんな症状が出たらすぐに病院へ行くべきですか?
尿毒症は、腎機能の低下により体内に有害な老廃物が蓄積し、全身に悪影響を及ぼす病気です。獣医師の診断と早期対応が非常に重要で、放置すると命に関わることもあります。尿毒症の症状として、食欲不振・嘔吐・口内炎・けいれんなどの神経症状が見られることがあります。これらの症状が現れた場合、健康状態が危険なレベルに達している可能性が高いため、すぐに動物病院を受診することが大切です。
Q2. 尿毒症の犬の治療にはどんな方法があり、費用はどれくらいかかりますか?
尿毒症の治療方法は状態の重さによって異なります。主な治療法と費用の目安は以下の通りです。
輸液治療(点滴):体内の毒素を排出するために行う。
→ 1回5,000円~10,000円程度(頻度により変動)
薬(血圧を安定させる、吐き気を抑えるなど)
→ 月5,000円~15,000円程度
透析治療(高度医療が必要な場合)
→ 1回数万円~数十万円
まとめ
尿の排泄に問題がある場合、尿路の閉塞が考えられます。そのため、定期的な健康診断を実施し、腎機能を確認することが重要です。特に、食事の制限や水分補給に注意し、動物の健康を守ることが必要です。飼い主として、獣医師のアドバイスをしっかりと受け入れ、適切なケアを行いましょう。動物病院を利用して、信頼できる獣医師に相談することが大切です。