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短足胴長の愛らしいシルエットと、愛嬌たっぷりのお尻のふりふりが魅力のコーギー。そのキュートな見た目に、思わずメロメロになってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、そのルックスとは裏腹に、実は勇敢で賢く、しっかりとした自分を持った犬種です。時に「頑固」と言われることもあるその性格は、飼い主さんにとっては最高の魅力であり、時に大きな驚きとなるかもしれません。
本記事では、コーギーと幸せに暮らすために知っておきたい、性格の本質から平均寿命、お迎えする際の価格相場まで、飼う前に必ず知るべき「真実」を詳しくご紹介します。
コーギーという犬種について
コーギーの種類
コーギーとひと口に言っても、大きく分けて「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類が存在します。どちらも原産地はイギリスのウェールズ地方ですが、見た目や性格には違いがあります。
ペンブロークは日本でも特に人気が高い種類で、チャーミングな垂れ耳や断尾された短いしっぽが特徴です。社交的で人懐っこい性格をしており、飼い主に対して従順でしつけもしやすい傾向があります。エリザベス女王が愛した犬としても有名ですね。
一方、カーディガンはより古い歴史を持ち、ペンブロークよりも体格がやや大きめです。大きな立ち耳と長いしっぽが特徴で、落ち着いた性格の子が多いといわれています。見た目の違いだけでなく、性格面でもカーディガンはやや慎重で警戒心が強い一方、ペンブロークは明るく活発という違いがあります。自分の生活スタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
フラッフィー(長毛タイプ)って何?
コーギーといえば、一般的には短毛のイメージが強いかもしれません。しかしごく一部のコーギーには「フラッフィー」と呼ばれる長毛タイプが存在します。これは遺伝的な要因によるもので、通常のコーギーよりも被毛がふわふわと長く、ぬいぐるみのような愛らしさを持っています。
ただし、フラッフィーは毛が長いため抜け毛や毛玉ができやすく、定期的なお手入れが欠かせません。見た目の可愛らしさに惹かれて飼う人もいますが、日々のブラッシングやトリミングに時間をかけられるかどうかを考える必要があります。希少性が高く、ペットショップやブリーダーでもなかなか出会えないため、もしフラッフィーに出会えたらとても特別なご縁と言えるでしょう。
コーギーの平均寿命と最高寿命の記録
コーギーの平均寿命は12〜14歳とされており、中型犬としては一般的な長さか、やや短めと言われています。もちろん、生活環境や食事、運動習慣によって寿命は大きく変わるため、日常的な健康管理がとても大切です。
最高寿命についてはギネス公式の記録は存在しませんが、日本国内では20歳まで生きたコーギーが報告されているケースもあります。また、動物病院や個別の家庭で「15歳以上生きた」という事例も珍しくありません。
コーギーの性格と特徴
賢く愛情深いが、吠えやすい一面も
コーギーは非常に知能が高く、愛情深い犬種として知られています。飼い主のそばにいることを好み、学習能力が高いのでしつけ自体は比較的スムーズに進みます。しかしその反面、牧羊犬として家畜をまとめていた本能が残っているため、吠えて相手に知らせようとする行動が出やすい傾向があります。
無駄吠えが目立つ場合でも、決して「性格が悪い」というわけではありません。体力を十分に発散させ、安心できる環境を整え、一貫したしつけを行えば落ち着いた行動がとれるようになります。毎日の運動と飼い主とのコミュニケーションが、コーギーにとって最大の安心材料になるのです。
コーギーは人懐こい?それとも性格がきつい?
「コーギーは人懐こい」とよく言われますが、一方で「気が強い」と感じる飼い主さんもいます。実際には、どちらの側面も持ち合わせています。
多くのコーギーは明るくフレンドリーで、初対面の人や子どもにも親しみやすく接することができます。その一方で、自立心が強く、自己主張をはっきりする一面もあります。これは牧羊犬として、自分で判断して行動してきた歴史が関係していると考えられます。
つまり「性格がきつい」というよりも、自己主張がしっかりしている犬種なのです。飼い主がリーダーシップを持って接すれば、人懐こさと賢さが前面に出て、とても良い家庭犬になります。
コーギーの女の子と男の子の性格の違い
オスとメスでは、性格に多少の違いが見られます。一般的に、オスのコーギーは活発で甘えん坊、やんちゃな性格の子が多い傾向があります。飼い主にべったりとくっつく一方で、興奮すると行動がエスカレートしやすいこともあります。
一方、メスのコーギーは落ち着いていて、マイペースな子が多いといわれています。しつけも比較的入りやすく、冷静に状況を判断できるタイプが多いため、初めて犬を飼う方にはメスを勧めるブリーダーもいます。
ただし、性格は個体差が大きく、環境や育て方によって大きく変わります。オスだから元気すぎる、メスだから大人しいと決めつけず、その子自身の性格をよく観察することが大切です。
コーギーが噛む理由と対策
子犬期の甘噛みは歯の痒さや探索活動の現れで自然な行為ですが、この対策を怠ると、成犬になってからも続く困り癖になる可能性があります。
大切なのは、噛んで良いおもちゃと悪いものを明確に区別させ、人の手を噛んだら遊びを即刻中止して無視すること。そして、歯の生え変わり期のむず痒さに対処できる、噛みごたえのあるおもちゃを用意してあげることで、自然と適切な行動を学習させてあげましょう。焦らず根気強く向き合うことが、信頼関係を築く一番の近道です。
「噛むから困った」と悩むのではなく、「なぜ噛むのか」を理解して根本的な原因に対応すれば、コーギーは賢い犬種なので改善する可能性は十分にあります。
コーギーは飼いやすい犬種?
室内飼いはできる?注意すべき環境づくり
コーギーは中型犬ですが、実際は小柄で足が短くコンパクトな体型なので、室内飼いも十分可能です。ただし、牧羊犬として活躍してきた背景から体力があり、動きも活発なので、狭い空間だけで生活させるのはストレスにつながります。
フローリングは足腰に負担をかけやすいので、マットやカーペットを敷いて滑り止めをしてあげると安心です。段差の上り下りが多いと腰を痛めるリスクもあるため、生活環境はコーギーの体格に合わせて整えてあげましょう。
運動量と毎日の散歩について
コーギーはとにかく運動量が多い犬種です。毎日の散歩は最低でも1日2回、合計1時間以上が理想とされます。散歩のほかにも、ボール遊びや知育トイを使った遊びを取り入れると、体力だけでなく頭の刺激にもなり、無駄吠えや噛み癖などの問題行動の予防にもつながります。
もし散歩が不足すると、エネルギーが有り余って家具を噛んだり、吠えやすくなることがあるので注意が必要です。
抜け毛や体臭の有無、お手入れのポイント
コーギーはダブルコートという二重構造の被毛を持つため、春と秋の換毛期にはかなりの抜け毛があります。毎日のブラッシングで抜け毛を減らすとともに、皮膚トラブルの予防にもなります。
体臭に関しては比較的少ない犬種とされますが、運動量が多い分汗や汚れは溜まりやすいため、定期的なシャンプーや耳掃除、歯磨きが欠かせません。特にコーギーは食いしん坊な性格から歯石が溜まりやすいため、デンタルケアは早めに習慣づけるのがおすすめです。
コーギーはどんな人に向いている?
コーギーは愛情深く、家族と一緒に過ごす時間をとても大切にする犬種です。そのため、一緒に遊んだり散歩したり、積極的にコミュニケーションを取れる人に向いています。
反対に、長時間の留守番が多い家庭や、毎日の運動に時間を割けない方にはやや不向きかもしれません。体力があり、犬との時間を楽しみたいアクティブなご家庭にはぴったりで、特にお子さんとの相性も良いといわれています。
コーギーを迎える方法と費用
子犬の価格相場
コーギーの子犬の価格は、一般的に 20万〜40万円前後 が相場といわれています。
ペットショップやブリーダーの血統、健康状態、人気の毛色によって大きく変わるのが特徴です。激安や売れ残りといった表示で販売されているケースも見られますが、その背景には体の弱さや性格の問題、あるいは成長に伴う人気の低下などが隠れていることもあります。また、珍しい長毛タイプのフラッフィーは希少性が高く、相場より高値になることが多いです。
価格だけに惑わされず、信頼できるブリーダーや譲渡先を選ぶことが大切です。
「無料譲渡」や「あげます」に潜む注意点
インターネットやSNSでは「コーギーを無料で譲ります」「里親募集」といった情報も見かけます。
一見お得に思えますが、医療費がかかっていたり、性格的に飼育が難しい犬であったりするケースもあるため注意が必要です。特に「繁殖犬の引退」「病気を抱えた犬」の場合、迎え入れた後に高額な医療費がかかることも少なくありません。
無料だからと安易に飛びつくのではなく、必ず健康状態やワクチン接種の有無、飼育歴などを確認してから判断しましょう。
飼い始めにかかる費用と毎月の出費目安
コーギーを迎える際には、子犬の購入費用のほかに初期費用として ワクチン・マイクロチップ・狂犬病予防接種・去勢避妊手術・ケージやベッドなどの飼育用品 に10万円前後かかるのが一般的です。飼い始めた後も、毎月のフード代やトイレシーツ、病院代を含めて 1万〜2万円程度 の出費は見込んでおく必要があります。
特にコーギーは食欲旺盛で肥満になりやすいので、適切なフード選びと健康管理のための費用を計画的に確保しておくことが大切です。
コーギーの健康としつけ
よくある病気と予防法
コーギーは胴長短足という体型の特徴から、特に椎間板ヘルニアに注意が必要です。階段の上り下りやソファからの飛び降りなど、日常的な動作でも腰に負担がかかりやすく、発症すると歩行障害や強い痛みを引き起こすことがあります。
予防のためには、段差の少ない生活環境を整えること、滑りやすいフローリングにはマットを敷くこと、そして何より体重管理を徹底することが大切です。肥満は腰や関節への負担をさらに大きくするため、フードの量やおやつの与えすぎには注意しましょう。
ほかにも、目の病気や皮膚炎なども比較的多く見られるため、定期的な健康チェックと早期受診を心がけてください。
無駄吠え・噛み癖のしつけ方
コーギーは賢く忠実な反面、牧羊犬としての本能から吠えやすい性質を持っています。無駄吠えを放置するとご近所トラブルにつながることもあるため、早い段階で「吠えても要求が通らない」というルールを徹底しましょう。
また、噛み癖に関しても子犬の頃から適切に対処することが重要です。噛んでほしくないものを噛んだときには無視をして行動を止めさせ、代わりに噛んでも良いおもちゃを与えるなど、行動を置き換える方法が効果的です。体力が有り余っていると吠えや噛みに走りやすいので、毎日の運動や遊びを通してストレスを発散させることも忘れないでください。
子犬の頃からの社会化トレーニングの大切さ
コーギーは警戒心が強く、自己主張のはっきりした性格を持つため、社会化トレーニング が非常に重要です。
子犬の時期にさまざまな人や犬、音や環境に慣れさせておくことで、成犬になってからの無駄吠えや攻撃性を防ぎやすくなります。特に他の犬との関わり方を学ぶ機会を作ることで、噛み癖や過度な興奮も抑えやすくなります。
社会化は子犬期だけで終わるものではなく、成犬になってからも継続して新しい刺激を与えてあげることが理想です。安心できる経験を積み重ねることで、コーギーは飼い主や家族にとってより信頼できるパートナーへと成長していきます。
コーギーとしっぽの関係
なぜ尻尾を切る習慣があったのか?
コーギーといえば「しっぽが短い犬」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。実はこれは生まれつきではなく、断尾が広く行われていたためです。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、イギリスで牧羊犬として活躍してきた歴史があり、羊を追う際にしっぽが邪魔になったり、怪我を防ぐために切られていたといわれています。
また、かつては税金対策の理由もありました。18世紀のイギリスでは「しっぽのある犬」に課税されていたため、牧畜犬として働くコーギーは尾を切ることで税金を免れられたという背景もあるのです。
しっぽを切らないとどうなる?日本での現状
では、尻尾を切らなかったコーギーはどうなるのでしょうか?
実は断尾をしないコーギーも多く存在し、特に「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」はもともと長いしっぽを持つ犬種です。ペンブロークでも生まれつき短尾の子もいますが、しっぽが長いままでも健康上の問題は全くなく、性格や寿命に影響することもありません。むしろしっぽを残すことで、犬の感情表現がより豊かに読み取れるというメリットもあります。
現在の日本では、動物愛護の観点から 断尾を行わないケースが増えており、しっぽのあるコーギーも一般的になりつつあります。ブリーダーによって方針は異なりますが、しっぽを切らないでそのまま育つコーギーを選ぶ飼い主も増えており、「しっぽを振る姿がかわいい」と人気を集めています。
国際的にも断尾は動物福祉の観点から禁止や制限が広がっているため、今後は自然な姿のコーギーがスタンダードになっていくでしょう。
コーギーに向いている暮らし方診断
Q1. 毎日1~2時間の散歩時間を確保できますか?
Q2. 抜け毛対策(毎日のブラッシング、掃除)を厭いませんか?
Q3. マンション住まいの場合、吠え対策に取り組めますか?
Q4. 10年以上の付き合いを考えられますか?
Q5. 暑さ対策(夏場のエアコン管理)ができますか?
3つ以上「はい」がある方はコーギーとの生活に向いているかもしれません。2つ以下の方は、もう一度ライフスタイルを見直すか、別の犬種を検討した方が良いかもしれません。
コーギーに関するよくある質問
Q:コーギーは一人暮らしの人に向いていますか?
Q:コーギー、ダックス、柴犬のどれが一人暮らし向きですか?
Q:赤ちゃんや猫とコーギーの子犬の相性は?
Q:コーギーと柴犬は相性が悪いですか?
Q:コーギーの散歩量はどのくらいが目安ですか?
コーギーを幸せに育てるために
いかがでしたか? コーギーはその愛らしい見た目に反して、独立心が強く頑固な一面も持つ、非常に個性豊かな犬種です。その魅力を最大限に引き出し、長生きしてもらうためには、飼い主の理解と適切なケアが何よりも重要です。本記事でご紹介した「真実と注意点」が、コーギーとの楽しく幸せな生活を送るための一助となれば何よりです。これから末長い、絆深い日々を過ごされますよう願っております。