猫の鳴き声の意味がわかる!性別・年齢別の特徴と上手な返事のコツ|PETTENA
猫の鳴き声の意味
「突然『アオーン』と叫ぶ猫、何か言いたいの?」「ゴロゴロ鳴るときって安心してるの?」――猫の鳴き声は、飼い主さんとの“会話”です。
実は猫は、人とのコミュニケーションのために鳴く動物。ここでは、獣医監修のもと、猫の鳴き声から気持ちを読み取る方法をわかりやすく解説します。

猫が鳴くのはなぜ?

猫が鳴くのはなぜ

猫が人間のために鳴くのは本当?

「猫は猫同士ではあまり鳴かないのに、人間にはよく鳴く」――この事実から、多くの研究者が「猫は人間とコミュニケーションを取るために鳴き声を使っている」と結論付けています。

2009年に発表された研究では、猫の鳴き声が人間の赤ちゃんの泣き声に似た周波数帯域を含んでいることが明らかになりました。これは、猫が無意識に人間の注意を引きやすい音を選んで鳴いている可能性を示唆しています。

鳴き声は“言葉”のひとつ

飼い主さんの反応を見ながら鳴き方を変える猫も少なくありません。

「この鳴き方をすると餌をもらえる」「こう鳴くとドアを開けてくれる」といった学習を通じて、猫は人間との効果的なコミュニケーション方法を身につけていくのです。

【鳴き声別】猫の気持ちと伝えたいこと

甘え・要求:「ニャー」「ゴロゴロ」

「ニャー」と短く鳴く場合は、軽い挨拶や注目を引きたい時のサインです。

一方、「ニャーーン」と長く伸ばす鳴き声は、餌が欲しい・ドアを開けてほしいなどの強い要求を表します。特に朝方にこの鳴き声が増えるのは、飼い主さんに「起きて!」と訴えているからかもしれません。

ただし、要求にすぐ応えすぎると「鳴けば何でもしてもらえる」と学習するので、時には無視も必要です。

「ゴロゴロ」音は、リラックスして満足している時によく聞かれますが、実は痛みや不安を和らげるために出すこともあります。撫でている最中に突然鳴き止んだら「もう満足」のサインです。

ゴロゴロ音が聞こえる時は、そのまま優しく撫で続けてあげましょう。

興味・狩猟本能:「クルル」「カカカ」

窓の外の鳥を見ながら「クルル」「カカカ」と歯をカチカチ鳴らすのは、狩猟本能が刺激された証拠です。獲物を見つけた興奮と、捕まえられないもどかしさが混ざった独特の鳴き声です。

その時は、危険がない範囲で狩猟本能を満たせるおもちゃ遊びをさせてあげるのが良いです。

ただし、外の鳥を見せすぎるとストレスになる場合もあるので注意してね。

不満・不安:「ニャーオ」「ウーッ」

「ニャーオ」と尻下がりで鳴くのは、何か不満がある時です。トイレが汚れている、水が新鮮じゃないなどの生活環境の問題や、構いすぎによるストレスが原因かもしれません。

「ウーッ」と低く唸るのは、不安や恐怖を感じているサインです。新しい環境や知らない人・動物に遭遇した時によく見られます。

不安そうにしている時は無理に近づかず、自分から来るのを待ってね。また、キャリーや隠れ家など安心できる場所を確保してあげれください。

威嚇・ケンカ:「シャーッ」「マーオ」

「シャーッ」と鋭く鳴くのは、明らかな威嚇です。毛を逆立て、耳を後ろに倒しているなら、これ以上近づくと攻撃される可能性が高いです。そんな時は、絶対に無理に触らない。

「マーオ!」と甲高く叫ぶのは、猫同士のケンカでよく聞かれる声です。痛みや驚きも表します。ケンカの場合は、手を叩くなど大きな音を立てて注意をそらすのも方法の一つです。

発情期:「アオーン」「ンニャーオ」

去勢・避妊手術をしていない猫の場合、「アオーン」と長く伸ばす鳴き声や、「ンニャーオ」と訴えかけるような鳴き方は発情期の特徴的な声です。オスは縄張りを主張するために、メスはパートナーを呼ぶために鳴きます。

発情期の猫は脱走の危険性が高まるので、外に出さないように注意してね。健康面でも避妊手術を勧めします。

無音の「サイレントニャー」の意味

口を開けて「ニャー」と鳴いているのに声が出ていない「サイレントニャー」。これは特に子猫がよく行う行動で、「もっと構って」「甘えたい」という強い愛情表現です。

成猫でも信頼している飼い主さんに対して使うことがあります。愛猫がサイレントニャーをしたら、優しく声をかけたり撫でてあげましょう

鳴き声がうるさいときの対処法

猫の気持ち

対策① ストレス発散の遊び時間を

運動不足や退屈は、猫の過剰な鳴き声の主要な原因です。特に室内飼いの猫は、狩猟本能を満たす機会が不足しがちです。適切な遊びを取り入れることで、ストレスを解消できます。

効果的な遊びのポイント
・1日2回(朝晩)、15分程度の本格的な遊び時間を確保
・猫じゃらしなどで獲物を追いかける体験を再現
・遊びの終わりには必ず「獲物を捕まえさせる」ことで満足感を与える
・留守番用に知育玩具やフードパズルを用意

遊んだ直後は静かになるが、すぐまた鳴き始める場合は、遊びの質や時間が足りていない可能性があります。猫の年齢や体力に合わせ、適切な運動量を確保しましょう。

対策② 清潔なトイレで快適に

猫は非常にきれい好きな動物です。トイレの不満があると、頻繁に鳴いて訴えることがあります。トイレ環境を見直すだけで、鳴き声が減るケースも少なくありません。

項目 理想的な状態
トイレの数 猫の頭数+1個
掃除頻度 固まる砂なら毎日2回以上
トイレの大きさ 猫の体長1.5倍以上
設置場所 静かで落ち着ける場所
砂の種類 猫の好みに合ったもの

「トイレの前で鳴く」「用を足した後に大声で鳴く」などの行動は、トイレ環境に不満があるサインです。愛猫のトイレ行動を観察し、必要に応じて改善してあげましょう。

対策③ 食事量や質の見直し

空腹による要求鳴きは、食事の与え方を工夫することで軽減できます。特に、決まった時間以外にもおやつを要求するといった問題行動に効果的です。

食事改善のポイント
・1回量を減らして回数を増やす(1日3-4回に分ける)
・自動給餌器を活用し、飼い主と食事の関連を弱める
・高タンパク・低炭水化物の質の良いフードに変更
・食事時間を一定にし、規則正しいリズムを作る

重要なのは一貫性。「今日は要求に応じたけど明日は応じない」といった態度は逆効果です。家族全員で同じ対応を心がけましょう。

対策④ 避妊・去勢手術の検討

発情期の鳴き声は特にうるさく、近所迷惑になることもあります。去勢・避妊手術を行うことで、この問題は大きく改善されます。

手術の効果と時期:
  • オス:縄張り主張の鳴き声やスプレー行為が減少
  • メス:発情時の特徴的な鳴き声がなくなる
  • 適齢期:生後5-6ヶ月頃(獣医師と相談要)

手術後すぐに効果が現れるわけではありませんが、通常1-2ヶ月でホルモンが落ち着き、鳴き声も減っていきます。手術を検討する際は、かかりつけの獣医師とよく相談しましょう。

 

こんな鳴き声は病気のサインかも?

可愛い猫

痛みを訴えるときの鳴き方

「ギャッ!」「アォン!」といった鋭く短い鳴き声は、急な痛みのサインかもしれません。特に以下のような状況でこの鳴き声が聞かれたら要注意です。

抱き上げた瞬間に鳴く → 関節炎や外傷の可能性
トイレの後に大声で鳴く → 泌尿器系の病気(膀胱炎、尿路結石など)
食事中に鳴きながら食べる → 歯周病や口内炎の疑い

痛みを感じているサイン
・触られるのを嫌がる
・普段と違う場所でじっとしている
・毛づくろいの回数が減る
・食欲が落ちる

甲状腺や認知症の可能性

甲状腺
甲状腺機能亢進症は、7歳以上の猫に多く見られる内分泌疾患です。この病気にかかった猫は、夜中に甲高い声で頻繁に鳴き続けることが特徴的で、一見するとただの「夜鳴き」と勘違いされがちです。

しかし、よく観察すると、落ち着きがなくなり、常に動き回っている様子が見られます。食欲が異常に増加しているにもかかわらず、体重が減少していくという矛盾した症状です。

多飲多尿も伴うことが多く、これらの症状が組み合わさっている場合は、早急に動物病院で甲状腺ホルモンの検査を受ける必要があります。

認知症
10歳を超えた高齢猫に見られる認知機能障害では、全く目的もなく家中を鳴きながら歩き回る行動が目立ちます。特に夜間にこの症状が強く現れるため、飼い主さんの睡眠を妨げることが少なくありません。

認知機能が低下した猫は、昼夜の区別がつかなくなり、昼間は寝てばかりいるのに夜になると活動的になるという昼夜逆転の現象が見られます。

また、今までできていたトイレの失敗が増えたり、慣れているはずの家の中で方向感覚を失ったように見えたりするのも特徴です。

受診の目安

鳴き声のトーンや頻度が明らかに変化した
特定の動作時に痛そうに鳴く
夜鳴きが続き、家族の睡眠が妨げられる
鳴き声の変化に加え、食欲や排泄に異常がある

鳴き方に違いはある?年齢・性別でみる傾向

子猫

子猫/成猫で違う甘え方

子猫の特徴的な鳴き方
子猫の鳴き声は、成猫に比べて「甲高く」、「頻度が多い」のが特徴です。生後2-3ヶ月の子猫は、母猫や兄弟猫と離れた不安から、頻繁に「ミャーミャー」と鳴きます。これは、自然界で迷子にならないための本能的な行動です。

子猫の鳴き声の特徴
高いピッチの鳴き声:遠くまで届くように進化した声
短く切れ目のない連続鳴き:すぐに気付いてもらうため
甘えるようなトーン:世話を引き出す効果

特に夜間の鳴き声が気になる場合は、母猫の心音を再現した時計や温かいタオルを入れてあげると落ち着くことがあります。

成猫の鳴き方の変化
成長するにつれ、猫の鳴き声は低く、バリエーション豊かになっていきます。

成猫の鳴き声の特徴
目的別の鳴き分け:餌を要求する時、遊んでほしい時などで使い分け
飼い主限定の鳴き方:家族以外の人には鳴かないことも
ボディランゲージとの連動:鳴き声としぐさで複雑な意思表示

子猫の頃はよく鳴いていたのに、大人になってからはあまり鳴かなくなったと感じる飼い主さんも多いでしょう。これは、鳴き声以外のコミュニケーション方法を覚えたためです。

オス猫/メス猫の特徴的な鳴き方

オス猫の特徴的な鳴き方
  • 低く太い声:縄張り主張のため
  • 長く引き延ばす鳴き方:「アオーン」と発情期のメスを呼ぶ
  • 威嚇時のうなるような声:他のオスに対する警告

去勢手術をすると、これらの特徴的な鳴き方が減り、落ち着いた鳴き方に変化していきます。手術後も完全に鳴かなくなるわけではありませんが、うるさく感じる鳴き声は1-2ヶ月で軽減されることが多いです。

メス猫の特徴的な鳴き方
  • 甲高く訴えかけるような声:「ニャーオ」と長く伸ばす
  • 不自然な姿勢で鳴く:お尻を上げながら鳴く
  • 夜間の頻繁な鳴き声:特に夜間に活発に

発情期のメス猫の鳴き声は非常に大きく、近所迷惑になることもあるため、室内飼いの場合は特に注意が必要です。避妊手術を行うことで、こうした特徴的な鳴き声は見られなくなります。

鳴き声に返事してみよう!猫との会話術

「にゃー」と鳴かれたときの返し方

猫が「にゃー」と鳴いてアプローチしてきた時、どのように返事をすれば良いのでしょうか?実践的な返答テクニックをご紹介します。

  • オウム返しで共感を示す
猫が発した「にゃー」という鳴き声を、そのまま真似して返してみましょう。

この方法は、特に子猫や若い猫に対して効果的で、「自分の声が届いた」と認識させることができます。

  • 質問形式で返してみる
「どうしたの?」「お腹空いた?」など、優しいトーンで質問してみましょう。

大切なのは、必ず優しい口調で話しかけることです。怒ったようなトーンだと、猫は警戒してしまいます。

  • 行動で返事をする
言葉だけでなく、行動で返事をすることも重要です。鳴かれたら近寄って撫でてあげたり、餌の時間なら食器を用意する仕草を見せたり、遊んでほしそうならおもちゃを見せたりしましょう。

猫は非常に観察力が鋭いので、飼い主の動作から多くの情報を読み取ります。

声だけでなく表情・動きも観察して

効果的に返事をするためには、猫の鳴き声だけでなく、全身の様子を観察することが大切です。

観察ポイント  意味
耳の向き:前方 興味
耳の向き:横や後ろ 不快
瞳孔が大きく開いている 興奮
ひげが前に出ている 興味
ひげの位置:後ろ 警戒
しっぽが上向きで先だけ動く 嬉しい
しっぽが大きく振る イライラ
しっぽが毛が逆立つ 恐怖や怒り
お腹を見せる 信頼
体を低くする 警戒

猫の鳴き声に関するよくある質問

猫が喧嘩してる

Q:猫が「にゃおーん」って鳴くとき、どういう気持ちなの?

「にゃおーん」と少し長めに鳴くのは、かまってほしいときや寂しいときによく見られます。他にも、ごはんの催促や「話しかけてる」ようなこともあるので、猫の鳴き声の意味を知ることで気持ちがよくわかりますよ。

Q:猫がゴロゴロ言ってるけど、これって安心してるってこと?

はい、ゴロゴロ音はリラックスしていたり、幸せを感じているサインです。撫でられているときや眠そうなときに出ることが多いですね。ただし、体調が悪いときにも自分を落ち着かせようとゴロゴロ言うことがあります。

Q:夜中に猫が鳴き続けるのって、なんでなの?

猫が夜中に「ギャーギャー」「アオーン」と鳴くのは、発情期やストレス、寂しさが原因のことが多いです。日中に遊び足りないと夜に活発になることもあります。

Q:猫が痛いときって、どんな鳴き方をするの?

猫が痛みを感じているときは、「ギャッ」「ウー」「シャー」など、いつもと違ううなるような声を出すことがあります。急に触られるのを嫌がったり、動きを制限するような様子が見られたら、すぐに病院へ連れていくのが安心です。

Q:猫が寂しいときの鳴き声ってどんな感じ?

寂しいときは、「ニャーン」「アオーン」と、少し長めで切なげな鳴き声を出すことがあります。留守番が多かったり、遊びが足りないときにこうした声を出すので、たっぷりスキンシップをとってあげましょう。

Q:猫の鳴き声がいつもと違うけど、大丈夫?

声がかすれていたり、普段と違う鳴き方をしている場合は、喉や鼻の不調、体調不良のサインかもしれません。猫風邪やストレスなどの可能性もあるので、様子をよく見て、必要なら獣医さんに相談しましょう。

まとめ

猫の鳴き声への返事は、愛猫との絆を深める大切なコミュニケーションです。鳴き声のトーンを真似たり、優しく話しかけたりするだけで、猫は「理解されている」と感じます。日々の小さな会話の積み重ねが信頼関係を育みます。ぜひ今日から、愛猫の鳴き声に耳を傾け、その子だけの「言葉」を理解しようとする姿勢を持ち続けてください。

 

PETTENA編集部

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