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猫の歯周病は何歳から?症状チェックから治療費・予防法まで解説|PETTENA
猫ちゃんの口臭が気になったり、ご飯を食べる様子がおかしいと感じたら、それは歯周病のサインかもしれません。実は3歳以上の猫の約8割が歯周病またはその予備軍と言われ、放っておくと全身疾患につながることもあります。今回は猫の歯周病について、症状や原因から治療法まで詳しくご紹介します。
猫の歯周病とは?症状と原因
猫の歯周病によく見られる症状
猫の歯周病は気づきにくい病気ですが、よく観察すると次のような症状が見られます。
最近、猫ちゃんの口臭が気になったら、それは歯周病の初期症状かもしれません。歯茎の腫れや出血が見られることも多く、進行するとよだれが増える傾向があります。特に赤みを帯びたよだれが出ている場合は要注意です。
食事の時に、硬いドライフードを食べるのを嫌がったり、片側の歯だけで噛むような食べ方をする場合、歯茎に痛みがある可能性があります。さらに進行すると、くしゃみや鼻水が出ることもあります。これは歯周病菌が鼻腔にまで広がっている証拠で、早急な治療が必要です。
歯周病が進行する4つのステージ
猫の歯周病は、気づかないうちに静かに進行していく病気です。その進行過程は4つの明確な段階に分けることができ、それぞれに特徴的な症状が現れます。
歯周病のステージ1:歯肉炎期
歯茎が赤く腫れ、触ると出血しやすくなります。この時期の炎症はまだ歯茎の表面だけにとどまっているため、適切な歯科ケアと治療を行えば、完全に回復させることも可能です。
歯周病のステージ2:軽度歯周炎
歯と歯茎の間に歯周ポケットと呼ばれる隙間が形成され始めます。このポケットの中で細菌が繁殖し、歯を支える歯根膜や歯槽骨といった重要な組織にまで炎症が広がっていきます。歯茎からの出血がより頻繁になり、口臭も強くなってくるのがこの時期の特徴です。
歯周病のステージ3:中等度歯周炎
歯を支えている歯槽骨の吸収が始まります。レントゲン写真を見ると、健康な猫に比べて歯を支える骨の量が明らかに減少しているのがわかります。歯がぐらつき始め、硬いフードを食べるのを嫌がるようになるのもこの時期からです。
歯周病のステージ3:重度歯周炎
歯槽骨の50%以上が失われ、歯がグラグラして最終的には抜け落ちてしまいます。ここまで進行すると、もはや歯を残すことは難しく、抜歯が必要になるケースがほとんどです。また、炎症が顎の骨にまで及んで顎骨炎を起こす危険性も高まります。
放置すると、あっという間に重症化してしまうので、早期発見・早期治療が大切です。特に3歳を過ぎた猫では、少なくとも年に1回は歯科検診を受けることをおすすめします。
歯周病の主な原因
猫の歯周病には、主に3つの根本的な原因があります。これらの要因を理解することで、効果的な予防策を講じることが可能になります。
歯石の蓄積
歯の表面に付着した歯垢は、約3日ほどで石灰化し始め、硬い歯石へと変化します。この歯石はザラザラした表面をしているため、さらに歯垢が付着しやすくなるという悪循環を引き起こします。
特に上顎の奥歯は唾液腺の近くにあるため、歯石が付着しやすい部位として知られています。
唾液の性質と体質
猫によって唾液のpH値や成分組成は異なり、歯石ができやすい体質の子もいます。例えば、唾液がアルカリ性に傾いている猫は、酸性の唾液を持つ猫に比べて歯石が形成されやすい傾向があります。
また、免疫機能が低下している猫では、歯周病菌に対する抵抗力が弱まっているため、炎症が進行しやすくなります。
食生活と食べ方の癖
柔らかいウェットフードばかりを与えていると、歯の表面に食べかすが残りやすく、歯垢が形成されやすい環境を作ってしまいます。
また、片側の歯だけで噛む癖がある猫では、使わない側の歯に歯垢が蓄積しやすくなるという問題もあります。
歯周病が引き起こす意外なリスク
歯周病と全身疾患の深い関係
ただの口の病気と軽く考えがちな歯周病ですが、実は全身に悪影響を及ぼすことがわかっています。
歯茎から血管に入り込んだ歯周病菌が全身を巡り、さまざまな臓器に悪影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになっています。特に注意が必要なのは次の3つの病気です。
猫はもともと腎臓病になりやすい動物ですが、歯周病菌が腎臓に到達すると、老廃物を濾過する糸球体に炎症を起こし、腎機能をさらに低下させます。
歯周病菌が心臓弁に付着すると、細菌性心内膜炎を引き起こす危険性があります。
糖尿病の場合、歯周病菌が産生する毒素がインスリンの働きを阻害し、血糖コントロールを困難にします。
歯周病を予防することが、これらの重篤な病気のリスクを減らすことにつながると、多くの獣医師が指摘しています。まさに歯周病予防は、愛猫の健康寿命を延ばす秘訣と言えるでしょう。
進行した歯周病の深刻な影響
歯周病が重度に進行すると、目に見える形でさまざまな症状が現れます。
歯茎の炎症が顎の骨にまで広がると、顔が腫れ上がり、ひどい場合には皮膚に穴が開いて膿が出ることもあります。このような状態では、強い痛みを伴うため、普段温厚な猫でも触られるのを嫌がったり、攻撃的になることが少なくありません。
また、歯が抜け落ちると硬いフードが食べられなくなり、栄養不足に陥ります。特にシニア猫の場合、このような食事制限が体力の急激な低下を招くケースもあります。
最近、愛猫の性格が変わったり、撫でようとすると怒るようになったりする変化は、単なる老化現象ではなく、歯周病による慢性疼痛が原因かもしれません。
獣医師に相談すべきタイミングと治療方法
すぐに動物病院へ行くべきサイン
歯周病は早期発見・早期治療が何よりも重要です。次のような症状が見られたら、迷わず獣医師の診察を受けましょう。
食事中の様子は特に注意深く観察してください。頭を傾けて食べる、片側だけで噛む、フードをこぼすなどの動作は、口腔内に痛みがあるサインです。
また、歯茎からの出血が続いている場合や、片側の鼻からのみ鼻水が出る場合も要注意。明らかな口臭がある時は、既に歯周病が進行している可能性が高いです。
診察の際には、自宅でスマートフォンなどで撮影した口内の写真を持参すると、獣医師も状態を把握しやすくなります。
ただし、無理に口を開けようとすると猫にストレスを与えるので、自然に口を開けた瞬間を捉えるようにしましょう。
歯周病の診断から治療までの流れ
動物病院での歯周病診断は、まず視診と触診から始まります。獣医師が歯茎の色や腫れ具合、歯のぐらつきなどを丁寧にチェックします。
詳しい検査として、歯周ポケットの深さを測定するプロービングや、歯根の状態を確認するためのデンタルX線検査が行われることが一般的です。
治療の流れは症状の重さによって異なりますが、基本的には次のようなステップを踏みます。
まず超音波スケーラーを用いた歯石除去(スケーリング)で歯の表面をきれいにし、歯周ポケット内の洗浄を行います。歯根まで炎症が及んでいる場合は抜歯が必要になることもあります。治療後は抗生物質や消炎剤が処方されるのが一般的です。
治療費用は3万円から8万円程度が相場ですが、抜歯が必要な場合や特別な処置が必要な場合はさらに高額になることもあります。事前に病院で見積もりを取ることをおすすめします。
気になる麻酔の安全性について
歯周病治療には全身麻酔が必要ですが、多くの飼い主さんがその安全性を心配されます。
確かに麻酔には一定のリスクが伴いますが、近年は安全性の高い麻酔薬やモニタリング機器が普及しており、事前の血液検査や健康診断をしっかり行えば、比較的安全に処置を受けることができます。
猫の性格別・歯周病を予防するデンタルケア
歯磨きが苦手な猫向けの対策
歯磨きを嫌がる猫にいきなり歯ブラシを使おうとしても、ほとんどの場合失敗します。重要なのは猫がリラックスしている時間を選ぶことと小さな成功体験を積み重ねることです。
まずは1日1回、猫がくつろいでいる時に、そっと口元に触れることから始めましょう。この時、指先に猫用の歯磨きジェルをつけておくと、舐めることで「口を触られる=美味しい」という良い印象が残ります。
2-3週間かけて、唇をめくる→歯に触れる→ガーゼで拭う、と少しずつステップアップしていくのがコツです。
どうしても歯磨きが無理だった場合には、獣医口腔衛生協議会認証のデンタルケアおやつがおすすめです。ただし、おやつだけに頼るのではなく、可能な範囲で他のケア方法と組み合わせることが大切です。
遊びの延長でできる歯周病予防
活発な猫やおもちゃ好きの猫には、遊びながらケアが効果的です。
デンタルケアおもちゃを選ぶ際のポイントは3つ:歯茎を傷つけない程度の硬さ、猫が噛みたくなる凹凸形状、安全性の高い素材です。
特におすすめなのは、中にキャットニップが入っているタイプです。夢中になって噛むことで、自然と歯の表面の汚れが落ちます。
遊び終わった後は、必ずおもちゃを清潔に保つことを忘れずに。汚れたおもちゃでは逆効果です。
フードやおやつでケアする方法
ドライフードは歯の表面を擦ることで機械的に汚れを落とす効果がありますが、粒の大きさや形状が重要です。理想的なのは、猫がしっかり噛まないと飲み込めないサイズの粒です。
ウェットフードが主食の場合でも、週に数回は歯垢が付きにくい特殊加工を施したデンタルビスケットを与えることで、ある程度のケアが可能です。ただし、カロリーオーバーにならないよう、通常の食事量を調整する必要があります。
意外に見落としがちな水分補給の重要性
唾液には口内を洗い流す自浄作用がありますが、水分不足になると唾液の分泌量が減り、細菌が繁殖しやすくなります。特にシニア猫は水を飲む量が減る傾向があるので注意が必要です。
水分摂取を促す工夫として、ステンレス製や陶器の水飲みボウルを複数箇所に設置する、常温~少し冷たい程度の水を用意する、流水式の給水器を試すなどが効果的です。ウェットフードに少量の水を加えるのも良い方法です。
おすすめの商品:循環式自動給水器
口臭が気になる時のチェックポイント
口臭の種類でわかる隠れた病気
「口臭=歯周病」と思われがちですが、実は口臭の種類によって原因が異なります。例えば、アンモニアのような強い臭いがする場合は腎不全、甘酸っぱい臭いなら糖尿病、腐敗臭なら口腔内腫瘍の可能性があります。
特に注意が必要なのは、急に口臭が強くなった場合や、口臭とともに食欲不振や元気消失などの症状が見られる場合です。このような変化に気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。
効果的な口臭対策の選び方
市販の口臭対策商品を選ぶ際は、以下の点に注目しましょう:
- 臨床試験データなど科学的根拠があるか
- 猫が嫌がらない味や香りか
- 使用方法が飼い主のライフスタイルに合っているか
特におすすめなのは、飲み水に数滴垂らすタイプの口腔ケアリキッドです。手軽に続けられ、口内環境を整える効果が期待できます。ただし、水を飲む量が減るようなら使用を中止してください。
デンタルケアを習慣化する5つのコツ
- ながらケアのおススメ:テレビを見ながら、くつろいでいる時にさりげなく
- ご褒美システム:ケアの後は必ず大好きなおやつや撫でてあげる
- 家族全員で参加:特定の人が担当にならないようローテーション
- 目に見える記録:カレンダーにシールを貼って可視化
- 無理をしない:調子が悪い日はお休みしてもOK
できる範囲で続けることが何よりも大切です。愛猫との信頼関係を損なわないよう、常に猫の様子を見ながら進めましょう。
獣医師からのアドバイス
「歯周病予防で最も重要なのは、飼い主さんが無理なく続けられる方法を見つけることです」と、猫専門病院の獣医師は語ります。「歯磨きが理想ですが、それが難しいなら他の方法で補えば良いのです。定期的に動物病院で口腔チェックを受けながら、その子に合ったオーラルケアの方法を見つけてください。」
特に7歳を過ぎたシニア猫は、年に1-2回の歯科検診が推奨されています。自宅でのケアとプロのケアを組み合わせることで、愛猫の歯の健康を長く守ることができます。
まとめ
猫の歯周病は3歳以降の約8割が発症リスクを抱えています。初期症状として口臭や歯茎の赤みが見られたら要注意。治療費は症状により3~8万円が相場で、重度化すると全身疾患の原因にもなります。毎日の歯磨き習慣と年に1回の歯科検診が予防のカギです。愛猫の健康寿命を守るため、早期発見・早期治療を心がけましょう。