犬用スリングは便利?キャリーバッグ・ペットカートとの違いと選び方を徹底解説|PETTENA
犬のスリング
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愛犬とのお出かけに便利な「スリング」。両手が使えて密着できる一方で、「キャリーバッグと何が違うの?」「ペットカートの方が楽なの?」と迷う飼い主さんも多いはず。この記事では、犬用スリングのメリット・デメリットを中心に、キャリーバッグやペットカートとの比較、選び方のコツまでわかりやすく解説します。

犬用スリングとは?特徴と基本の使い方

犬用スリングでダックスフントと出かける

犬のスリングの構造と種類

犬用スリングは主に布製タイプとリュック型タイプの2種類に分かれます。

布製タイプは一枚の大きな布で愛犬を包み込むように抱っこするスタイルで、通気性が良く夏場でも蒸れにくいのが特徴。折りたたんでコンパクトに収納できるので、バッグに常備しておくのに向いています。

一方、リュック型タイプは背中に背負うようにして使うため、より安定感があり長時間の使用にも適しています。肩紐が広く作られているものが多く、飼い主さんの肩への負担が少ない設計です。

どちらを選ぶかお悩みの場合は、愛犬のサイズと普段のお使いになる頻度から考えてみるのがおすすめです。日常的に短時間使うなら布製タイプ、長時間のお出かけが多いならリュック型タイプがおすすめです。試着できるお店であれば、実際に愛犬を入れてみてフィット感を確認するのがベストですね。

どんな犬に向いている?

  • 小型犬:チワワ、トイプードル、ポメラニアンなど体重が軽めの犬種
  • シニア犬:関節に負担をかけたくない老犬
  • 不安が強い子:飼い主さんと密着することで落ち着ける性格の犬
  • 子犬:免疫力が低く地面を歩かせたくない時期のパピー

犬用スリングのメリット・デメリット

柴犬用軽量抱っこ紐

飼い主にとってのメリット

「手が塞がって困る」という悩みを解消してくれるのがスリングの最大の魅力です。スーパーの買い物中にリードを引っ張られたり、スマホを見ながらの散歩で危ない思いをした経験はありませんか?スリングなら両手が自由に使えるので、荷物が多い日や混雑した場所でも安心です。

特に便利なのは:
  • 急な雨で傘をさしながらの移動が楽
  • 愛犬のリードと買い物袋を同時に持つ必要がない
  • スマホ操作やドアの開閉がスムーズにできる

持ち運びの楽さも見逃せないポイント。折りたたむとコンパクトになるので、普段の散歩用バッグにサッと入れられます。愛犬が突然歩かなくなった時や、疲れた様子を見せた時にすぐ取り出せますよ。「いつものお散歩コースに階段が多くて…」という方にも、スリングがあると安心です。

犬にとってのメリット

スリングの温もりは、特に不安がちな性格の愛犬に最適です。飼い主さんの鼓動や体温を直接感じられるので、以下のようなシーンで効果を発揮します。
おすすめポイント
・動物病院への移動時のストレス軽減
・花火や雷の苦手な子の安心アイテムとして
・新しい環境に慣れるまでの一時的な避難場所に

密着姿勢が自然な体勢を保てるのもポイント。横向き抱っこに比べ、背骨に負担がかかりにくい姿勢を維持できます。シニア犬の場合、関節への衝撃が少ない移動手段としても有効です。「うちの子、抱っこが苦手で…」という場合も、スリングなら包み込まれる感覚で抵抗が少ないことがあります。

デメリットや注意点

どんなアイテムにも向き不向きがあるもの。スリングを使う際は以下の点に注意しましょう。

体重制限には特に気を配って。多くのスリングは5kg前後までの小型犬向けで、中型犬以上の場合は耐荷重を必ず確認してください。無理な使用は飼い主さんの腰や肩を痛める原因にもなります。

長時間の連続使用は避けるのが賢明です。目安としては30分を超える場合は一度降ろして休憩を。愛犬の体が蒸れていないか、苦しそうにしていないか、こまめにチェックしましょう。
注意点
・階段や段差での転倒に注意
・暑い日は熱中症リスクが高まるので使用時間を短く
・暴れる癖がある子には向かない場合も

抱っこ紐は犬に負担になる?健康面から考える

犬用抱っこ紐でダックスフントと散歩する

足腰・関節への影響

スリングを使う際に最も気をつけたいのが、愛犬の自然な姿勢を保つことです。不自然な体勢で長時間抱っこしていると、関節や背骨に負担がかかってしまいます。理想的な姿勢は、愛犬が横向きになり、背中が軽く丸まった自然な状態。
注意点
・お尻が沈み込みすぎないよう、しっかり支える
・前足と後ろ足が不自然に曲がらない位置を保つ
・15分に1度は姿勢をチェックする習慣を

椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼がある子は、症状を悪化させる可能性があります。逆に、正しく使えば地面からの衝撃を減らせるので、関節保護に役立つ場合もありますよ。

呼吸器・気管支が弱い犬への注意

パグやフレンチブルドッグなどの短頭種、チワワなどの気管虚脱になりやすい犬種は特に注意が必要です。スリングの紐が首周りを圧迫したり、姿勢によって気道が狭まったりしないよう配慮しましょう。
すぐに降ろすべき症状
・呼吸が荒くなる
・舌の色がいつもより赤黒い
・ゼーゼーと音がする

首輪ではなくハーネスを装着した状態でスリングを使うと、首への負担を軽減できます。また、夏場の使用時は熱がこもりやすいので、涼しい時間帯を選ぶか、通気性の良いメッシュ素材のスリングを選ぶのがおすすめです。

シニア犬や病気の犬にはどう使う?

シニア犬の場合、スリングは歩行補助として有効です。散歩中に疲れた時や、段差が苦手になった時など、必要な時だけ使う「歩行補助ツール」と考えましょう。ただし、筋肉が衰えている老犬は、長時間同じ姿勢を保つのが難しい場合があります。10~15分ごとに休憩を入れ、体を伸ばさせてあげてください。
病気の愛犬に使う際のポイント
・術後は傷口を圧迫しない位置を確保
・心臓病の子は胸郭を締め付けない
・定期的に状態を確認しながら短時間使用

ただし、歩行困難が進んでいるシニア犬の場合は、キャリーバッグやペットカートの方が適している場合もあります。愛犬の状態に合わせて、臨機応変に使い分けましょう。

そもそも犬の移動手段にはどんな種類がある?

犬用スリング:手軽さと密着感が魅力

「急に愛犬が歩かなくなった」「混雑した場所を通りたい」そんな時に便利なのが犬用スリングです。布製の抱っこ紐で愛犬を体に密着させて運べるため、両手が自由に使えるのが最大のメリット。小型犬から中型犬まで対応できる商品が多く、折りたたんでバッグに入れておけるので「いざという時」に重宝します。

特に活躍するのは、散歩中の突然の疲れや、夏の暑い日・冬の寒い日の移動時。アスファルトの熱や冷たさから愛犬の肉球を守れます。子犬期やシニア期の愛犬にも負担が少なく、密着感から愛犬も安心できるのが特徴です。

キャリーバッグ:安全で安定した移動に

犬用キャリーバッグ

動物病院への通院や電車・車での移動時に適しているのがキャリーバッグです。

ハードタイプとソフトタイプがあり、ハードタイプは衝撃から愛犬を守れるため、車移動が多い方におすすめ。ソフトタイプは軽量で収納しやすく、日常使いに向いています。

「キャリーバッグだと愛犬が落ち着かない」と心配な方は、中に慣れたタオルやおもちゃを入れてあげると良いでしょう。特にペット可の施設や公共交通機関を利用する際は、周囲への配慮も兼ねてキャリーバッグが役立ちます。

ペットカート:ゆったり移動したい時に

PETTENAペットカートで犬連れカフェを楽しむ写真

「たくさんお買い物をしながら愛犬とお出かけしたい」「老犬で長距離歩くのが難しい」という方にはペットカートが最適です。カートなら愛犬に負担をかけずに長時間の外出が可能で、買い物袋も一緒に載せられるのが魅力。折りたたみ式なら車のトランクにも収納でき、大型犬用のサイズも充実しています。

公園でのんびり過ごしたり、ショッピングモールを回ったりする時に便利ですが、段差や混雑した場所では取り回しに少しコツが必要です。

それぞれの特徴と適したシーン

3つの移動手段を比較すると、以下のように使い分けるのがおすすめです。

移動手段 利用シーン
スリング  短時間の移動・緊急時・密着感を重視する時
キャリーバッグ 公共交通機関の利用・病院に通院する時
ペットカート 長時間のお出かけ・老犬・多頭飼い・荷物が多い時


キャリーバッグ・ペットカートとの比較

スリング vs キャリーバッグ

携帯性で選ぶならスリングのほうが有利です。折りたためばポーチサイズになり、普段の散歩バッグに常備しておけます。一方、キャリーバッグはある程度の大きさが必要ですが、その分安定性に優れています。

犬の安心感から考えると、スリングの密着感がリードを握る子もいますが、キャリーバッグの方が落ち着くタイプも。

キャリーバッグが活躍するシーン
  • 電車やバスなどの公共交通機関を利用する時
  • 動物病院などで待ち時間が長くなる場合
  • 騒音や人混みが苦手な愛犬の場合

毎日のちょっとした移動が多いならスリング、たまに遠出するならキャリーバッグが無難です。

スリング vs ペットカート

飼い主さんの体への負担を考えると、スリングは肩や腰に重みが集中します。5kg以上の愛犬を長時間抱えるのは大変です。一方、ペットカートは重い愛犬でも楽に移動でき、買い物袋も一緒に載せられるのが魅力。ただし、段差や狭い道では取り回しにコツが必要です。

犬の快適性では、長時間の移動ならペットカートが有利です。愛犬が自由に姿勢を変えられ、休憩も取りやすいです。

犬用カートが活躍するシーン
  • 半日以上外出する予定がある時
  • 中型犬、大型犬や体重の重い犬の場合
  • 買い物をしながらのお出かけが多い場合

ペットカートで移動し、愛犬が歩きたい時にだけ降ろしてあげると、無理のない散歩ができますよ。

シーン別おすすめの使い分け

シーン  移動手段
日常の散歩
  • スリング:短距離・緊急用に常備
  • ペットカート:老犬や体力に自信がない愛犬と長距離散歩
動物病院への通院
  • キャリーバッグ:待合室で安定して待てる
  • スリング:診察台への移動がスムーズ
旅行・お出かけ
  • キャリーバッグ:公共交通機関利用時
  • ペットカート:観光地や公園巡り
多頭飼いの場合
  • スリング+リード:1頭が疲れた時だけ抱っこ
  • 大型ペットカート:小型犬2頭を一緒に移動

犬用スリングの選び方ポイント

サイズ・耐荷重を必ずチェック

まず一番大切なのが、スリングのサイズと耐荷重です。愛犬の体重に合っていないスリングを使うと、布が伸びたり縫い目がほつれたりして安全性に問題が出てしまいます。

小型犬向けのスリングが多いですが、3kgと5kgの犬では快適さがまったく違いますよね。購入前には必ず愛犬の体重+少し余裕をもたせた耐荷重を確認するようにしましょう。

また、サイズが大きすぎると犬の体が安定せず、中でゴソゴソと動いてしまい落ち着きません。逆に小さすぎると窮屈でストレスになります。普段の抱っこの体勢に近い姿勢で収まるかどうかをイメージして、ちょうど良いサイズ感を選ぶのがポイントです。

飼い主の肩や腰の負担を減らす設計を選ぶ

犬用スリングは両手が空いて便利ですが、片方の肩に重さが集中するデザインが多いため、長時間の移動では飼い主さんの体に負担がかかりやすいのが難点です。

そこでおすすめなのが、ショルダーパッドが厚めに作られているタイプや、ストラップの長さを調整できるタイプです。体型や使うシーンに合わせて調整できると、ずっと抱えていても疲れにくくなります。

また、スリングを普段の通院や短い散歩だけでなく、カフェや電車移動などで長めに使う予定がある場合は、体への負担を考えてペットカートと使い分けるのも賢い方法です。飼い主さん自身が快適に使えることは、愛犬にとっても安心につながります。

季節ごとの工夫

犬用スリングは一年中使えるアイテムですが、季節ごとに気をつけたいポイントがあります。

夏場は蒸れやすいため、メッシュ素材や通気性の高い布地を選ぶと安心です。飼い主さんの体温がダイレクトに伝わるので、暑い日に長時間密着していると熱中症のリスクも高まります。炎天下では日陰を選んで歩いたり、ペットカートを併用するなどの工夫をしましょう。

一方、冬は冷たい風や気温差から守ってあげることが大切です。厚手の布地や防寒カバー付きのスリングを選べば、ブランケットのように犬を包み込めます。体が冷えやすいシニア犬や小型犬には特におすすめです。

スリングはシンプルな布製のものから、収納ポケットや防水加工がついた多機能タイプまでさまざま。季節や生活スタイルに合わせて選ぶことで、「今日はスリングで」「今日はカートで」と使い分ける楽しさも広がります。

犬がスリングを嫌がるときの対処法

急がば回れがスリング慣れの基本です。最初からお出かけで使おうとせず、自宅でゆっくり練習しましょう。

STEP1:スリングを見せるだけの段階
スリングを床に置き、愛犬が自主的に近づくのを待ちます。嗅いだり興味を示したら、大げさなくらい褒めておやつをあげましょう。「このアイテム=いいことがある」と関連付けます。

STEP2:部分的に触れる練習
スリングの一部を広げ、前足だけ乗せる練習から始めます。成功したらすぐに褒めて、短時間で終わらせることがコツ。「もう少しやりたい」くらいで止めるのがベストです。

STEP3:短時間の抱っこ練習
実際にスリングに入れて、最初は10秒程度から始めます。この時、無理に押し込むのではなく、おやつで誘導しながら。「入る→褒められる→すぐ出られる」という成功体験を積ませます。

「なかなか進歩が見られない…」と焦る必要はありません。1週間かけてステップ1から始め、愛犬のペースに合わせて進めてください。特に警戒心の強い子や過去に嫌な経験がある子は、時間をかけることが大切です。

 

通販で人気のペットスリングおすすめ4選

ドッグピース|エブリデイ・コンパクト・ドッグスリング

  • 肩が幅広で軽量:安定感があり、長時間使っても肩が痛くなりにくい。
  • コンパクト収納:折りたたんでバッグに入れられるので持ち運びやすい。
  • オプションが充実:名前の刺繍やプリントでオリジナル感を出せるほか、小型犬向けに安定感を高める

 

ドッグピース|クールMAXコンパクト・ドビー織ドッグスリング

  • 快適設計:幅広ショルダーで重さを分散し、肩に負担がかかりにくい。
  • 携帯性:薄く畳めて手のひらサイズのコンパクトさ。収納ケース付きで持ち歩きに便利。
  • シンプル&安心感:安定感・軽さ・丈夫さにこだわったシンプルな設計。

 

erva|多機能ドッグスリング

  • フロントオープンシステム:前が大きく開くので、抱っこの姿勢のままスムーズに愛犬を入れられる。
  • サイズ調節可能:夫婦や家族で共有しやすい。
  • リードループ付き:底のループ紐にリードを装着すれば、肩掛けリードとして活用可能。多頭散歩やカフェ・病院でも便利。

 

erva|シンプルドッグスリング 

  • コンパクト設計:ドッグキャリー史上最小レベル。折りたためば収納場所に困らず、気軽に持ち運び可能。
  • さらなる軽量化:従来より約30g軽く、見た目はそのままに扱いやすさを向上。
  • 内側ポケット追加:保冷剤を入れられるポケットを内側にも搭載。夏場のお出かけでも快適。
  • デザインを上品に刷新:ステッチを生地と同色にし、ポケット形状や縫製を調整。カジュアル感を抑え、より綺麗で洗練された印象に。

 

犬のスリングに関するよくある質問

Q:犬をスリングに入れるときの注意点は?

犬用スリングに入れるときは、まず落ち着いた状態で抱っこする姿勢を取り、そのまま自然にスリングに収めるのがポイントです。急に押し込むと不安や抵抗につながるため、声をかけながら安心させましょう。また、リードを必ず装着しておくと、思わぬ飛び出し防止になります。

Q:犬を抱っこするときにやってはいけない持ち方はありますか?

犬を抱っこするときに前足や後ろ足だけを持ち上げるのは絶対にNGです。関節や背骨に負担がかかり、ケガの原因になります。特に小型犬やシニア犬は骨が弱いため注意が必要です。正しい抱っこは、お尻や胸をしっかり支え、体を密着させること。

Q:スリングは何ヶ月くらいから使えますか?

犬用スリングは基本的にワクチン接種が終わった3〜4ヶ月頃から利用できます。パピー期は体がまだ成長段階にあるため、長時間入れるのは避け、短時間のお出かけや病院通いから慣らしていくと安心です。

Q:スリングはいつまで使えるのでしょうか?

犬用スリングは基本的に体重制限内であれば成犬になっても使えます。小型犬ならシニア期まで活躍しますが、飼い主の肩や腰への負担も考慮する必要があります。10kg以上の犬だと長時間は難しいため、短距離移動や病院通いなどに限定して使うと良いでしょう。

Q:椎間板ヘルニアの犬にもスリングは使えますか?

椎間板ヘルニアの犬にスリングを使う場合は、必ず獣医師に相談するのが安心です。体を曲げたり無理な体勢になると症状を悪化させる可能性があります。サポート性の高いスリングを選び、背中がまっすぐ保てるように入れてあげることが重要です。

Q:犬を自転車に乗せるときはどうすればいいですか?

犬を自転車に乗せるときは、犬用スリングをそのまま使うのではなく、必ず専用の自転車対応ペットキャリーや安全ベルト付きバスケットを使用しましょう。スリングは落下のリスクが高く危険です。

スリングは選び方&使い方次第、ペットカートとの併用もおすすめ

スリングはコンパクトで密着感があり、小型犬やシニア犬との日常使いに最適です。コンパクトに持ち運びたい方、愛犬とのスキンシップを大切にしたい方に最適です。一方、長時間の移動や多頭飼いにはペットカート、公共交通機関利用時にはキャリーバッグが便利です。愛犬の体型や体調、お出かけシーンに合わせて、スリングと他の移動道具を上手に使い分けるのが理想的。無理のない範囲で併用すれば、愛犬とのお出かけがもっと快適になりますよ。

 

PETTENA編集部

PETTENA編集部は、ペットとその飼い主がより良い生活を送れるよう、専門的な知識に基づいた信頼性のある情報を提供するチームです。特に、ペットカートを中心に、安全で楽しいお出かけをサポートするコンテンツをお届けしています。