犬の散歩で引っ張る!対策・リーダーウォークのコツを分かりやすく解説|PETTENA
犬の散歩で引っ張る
犬の引っ張り癖にはちゃんとした理由があり、正しい方法でトレーニングすれば改善が可能です。この記事では、犬が引っ張る理由から、今日から実践できるしつけ方法、そして飼い主さんの心構えまで、やさしく丁寧に解説します。

犬が散歩中に引っ張る3つの理由

犬が散歩中に引っ張る理由

①興奮して気持ちが先走っている

「早く行きたい!」「あの匂いが気になる!」という好奇心やワクワク感から、つい力いっぱい引っ張ってしまいます。特に若い犬や活発な犬種に多く見られます。お散歩の始めや、いつもと違うコースに行った時など、刺激が多い場所では興奮しやすくなるものです。

②不安やストレスから逃げたい気持ち

工事現場の騒音など苦手な音や他の犬が近づいてきた時、恐怖心から「早くここから離れたい」と引っ張る場合があります。特に保護犬や過去に怖い経験をした犬は、周囲の刺激に敏感に反応しがちです。

③社会化不足で周囲に慣れていない

子犬期にさまざまな環境に触れる機会が少ないと、成犬になってから外の刺激に過剰反応しやすくなります。人混みや車の音にびっくりしてパニックになったり、反対に興味津々で突進したり…。

引っ張り癖を放置するとどうなる?

首や喉に負担がかかる

リードを強く引っ張るたびに、首輪やハーネスが首や気管を圧迫します。特に小型犬やパグ、フレンチブルドッグなどの短頭種は、気管虚脱という呼吸障害を引き起こすリスクが高まります。


思わぬ事故やケガの原因に

興奮して急に走り出すと、「車道に飛び出す」「他の犬に突進する」など、重大な事故につながる危険性があります。また、飼い主さんが転倒して骨折…というケースも少なくありません。

飼い主の言うことを聞かなくなる可能性も

引っ張ることで「自分の行きたい方向へ進める」と学習すると、「リーダーは飼い主ではない」と誤解し、他のしつけも効きにくくなることがあります。

今日からできる!引っ張り癖を直すしつけ方法

子犬の引っ張り癖

Uターン&ストップで「引っ張ると楽しくない」と学習させる

「引っ張ったら進める」と思わせないことが最大のポイントです。
具体的なやり方
・リードはたるんだ状態でスタート
・愛犬が前へ引っ張り始めたら、「アッ!」と短く声を出して止まる
・その場で2~3秒待ち、愛犬が落ち着いたら方向転換(Uターン)
・再び引っ張ったら同じ動作を繰り返す

おやつを活用して「横を歩くのが気持ちいい」と教える

ステップバイステップトレーニング
・おやつを手に持ち、愛犬の鼻先に見せる
・「ツイテ」と声をかけながら、自分の足元におやつを誘導
・2~3歩並んで歩けたら、すぐに褒めておやつを与える
・慣れてきたら、おやつを見せない状態で練習

成功体験を積ませて自信をつけよう

引っ張り癖を直すためには、焦らず段階的に練習を進めることが大切です。まずは家の中でリードをつけ、リビングなどの慣れた場所で歩く練習をしてみましょう。成功体験を積ませることで、犬も「これでいいんだ」と自信がついていきます。

慣れてきたら、次は玄関先や駐車場など、外の刺激が少ない場所にステップアップ。音やにおいに少しずつ慣れさせていきます。

そして最後に、いつもの散歩コースで実践してみましょう。このように段階を踏むことで、犬も安心して学ぶことができ、自然と飼い主さんのそばを歩く習慣が身についていきます。

リードの持ち方も大切!正しい使い方を知ろう

犬の散歩のしつけ

巻きつけずに親指と指の間で固定する

リードを手首に巻きつけるのは、危険なクセです。急に引っ張られた時に手が離せず、転倒したりリードが絡まる原因になります。
正しい持ち方
・リードの持ち手を親指と人差し指の間で挟む
・余った部分は軽く握る(握りこぶしを作るイメージ)
・手のひらを下向きにすると、自然とリードがたるむ

結び目で安全な長さの目安をつける

自由に歩かせてあげたいと思ってリードを長めに持つと、かえって引っ張り癖がひどくなってしまうことがあります。
適切な長さの測り方
・愛犬が横に立った状態で、地面からリードが「ゆるやかなJ字」を描く長さ
・目安として、中型犬なら1.5~2mがベスト
・リードに結び目を作って「ここまで」と目印に

リードの長さは犬の自由と安全のバランス

散歩中のリードは、犬の探索欲求周囲の安全の両方を満たす調節が大切です。
シチュエーション別の使い分け
・住宅街の歩道→ 1m程度で飼い主の横を歩かせる
・公園や広場→ 伸ばして匂い嗅ぎを許可
・交通量の多い道→ 手首に2回巻いて完全固定

引っ張りやすい犬種とその傾向

引っ張りやすい犬種-大型犬

大型犬・作業犬に多い?引っ張りグセとの関係

力の強い大型犬や、もともと作業犬として活躍していた犬種は、特に引っ張りグセが目立ちやすい傾向があります。

例えばシベリアン・ハスキーはそり引きの歴史から「引っ張ることが仕事」と本能的に感じている場合が多く、ラブラドール・レトリーバーは好奇心が旺盛で「あっちの匂いを嗅ぎたい」「あの場所に行きたい」という欲求が強い特徴があります。ジャーマン・シェパードのような作業犬種は、ひとつのものに集中すると周りが見えなくなり、一直線に進もうとする性質があります。

小型犬でも起きる理由と工夫ポイント

「力が弱いから大丈夫」と思われがちな小型犬ですが、実は引っ張りグセが出やすい犬種も少なくありません。

チワワやトイプードルなどの小型犬が引っ張る主な理由は、恐怖心からの逃避行動や、自分がリーダーだと勘違いするナワバテリ行動、そして興奮しやすい性格によるものが多いようです。特に警戒心の強い犬種は、苦手なものから逃げようとして急に引っ張ることがよくあります。

小型犬の場合、リードは軽量で細めのナイロン製が扱いやすく、1.5m程度の長さで調節可能なタイプが理想的です。しつけのポイントとしては「引っ張ると楽しくない」と学習させるUターン作戦が有効で、成功したら大げさに褒めてあげると効果的です。



多頭飼いや子どもが一緒の場合の注意点

子どもが一緒の犬のお散歩

複数頭で歩く時のコツ

2頭以上で散歩する時は、まず犬同士の順番を決めるのがおすすめです。落ち着いている犬を前、やんちゃな子を後ろにするなど、性格を見て配置を考えましょう。リードはそれぞれ別の手で持ち、交差しないように注意します。

2頭を1本のリードでつなぐカップラーは便利そうですが、実は動きが制限されてストレスになることも。個別のリードを使う方が、犬たちも自由に動けます。

犬同士の適切な距離は、お互いのしっぽが触れない程度が目安。近づきすぎると、突然じゃれ合い始めて絡まる原因になります。リードは2m程度の長さがあると、適度な間隔を保てます。

子どもが持つときは一緒に行動をサポート

お子さんにリードを持たせる時は、必ず大人がそばについてサポートします。急な動きに対応できるよう、最初は1m程度のリードが安心です。子ども用のハーネスを使うと、万が一の時も犬が逃げにくくなります。

散歩中は犬の様子を見ながら歩くことをお子さんと確認し合いましょう。「今、ワンちゃんがお花の匂いを嗅いでいるね」「郵便屋さんが来たから、少し道を譲ろうか」など、声かけをしながら進むと、お子さんも自然と犬の気持ちを考えられるようになります。

小学生以上なら、犬の排泄物処理を一緒に行うのも良い学習になりますよ。

犬の散歩で引っ張るに関するよくある質問

Q:引っ張り癖は直せますか?

はい、しっかりトレーニングすれば直せます。リードを引っ張ったら立ち止まり、たるんだら進むなど、メリハリをつけて教えることがポイント。おやつや声かけで「正しい歩き方」を楽しく覚えさせてあげましょう。

Q:犬は散歩中に前を歩いてもいいの?

少し前を歩く程度ならOKですが、リードをぐいぐい引っ張るのはよくありません。飼い主さんのペースに合わせて歩く習慣をつけることで、安全でストレスの少ないお散歩になりますよ。

Q:リーダーウォークってなに?

リーダーウォークとは、飼い主さんの横を一定のペースで歩くお散歩方法です。愛犬が勝手に進まず、飼い主に意識を向けるようになることで、引っ張り癖の防止や信頼関係の強化にもつながります。

Q:散歩から帰った後に犬が暴れるのはなぜ?

興奮がおさまらず、エネルギーがまだ余っていることが原因かもしれません。室内で軽く遊ぶ時間をつくることで、気持ちを落ち着けてあげましょう。また、散歩の内容や時間が愛犬に合っているか見直すのも大切です。

しつけは愛犬との信頼関係を深めるチャンス

引っ張り癖のしつけは、単なる問題解決ではなく、愛犬との信頼関係を築く大切なプロセスです。根気強く向き合うことで、愛犬は「飼い主さんと一緒なら安心」と学んでいきます。成功した時の喜びを分かち合い、時には失敗も笑い飛ばしながら、楽しい散歩を目指しましょう。しつけを通じて深まる絆は、何よりの宝物になりますよ。

 

PETTENA編集部

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